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アメ横商店街では、路上にはみ出していすや机を置く飲食店も目立つ=1月30日、東京都台東区(前島沙紀撮影)
多くの物販店が並ぶ東京・上野の「アメ横商店街」、通称アメ横。外国人観光客も多く訪れ、平日でもにぎわいを見せる街で近年、店が路上に看板やテーブル席などを出す「路上営業」が無許可で行われるケースが増え、安全面での問題が顕在化している。アメ横の文化ともいえる空間を維持しつつ、どう安全性を確保するのか、模索が続いている。 【実際の写真】路上にはみ出していすなどが置かれ、歩道が狭くなっているところも ■「寒さ気にならない」 1月末の寒空の中、平日午後6時過ぎのアメ横商店街では、物販店や飲食店に絶えず客が足を運ぶ。路上に置かれた飲食店のテーブル席には、多くの外国人観光客らが食事をしている姿も。アメ横通りで食事をしていたタイ人観光客の男性は「料理の写真にひかれて店に入った」といい、ダウンコートを着ながらの食事も「寒さは気にならない」と笑顔を見せる。 アメ横商店街は、JR上野駅と御徒町駅間の一帯に広がる。昭和22年に始まった闇市の形態が残る数少ない街だ。あめを売る店が多いことから「あめ屋横丁」、ジーパンなど米国品などが売られることから「アメリカ横丁」など名前の由来はさまざまで、「アメ横」となったという。 午後1時~午前6時は車両通行禁止規制がかかる区域がほとんどで、ある飲食店従業員の20代女性は「外の雰囲気がよく、街がにぎやかになるために路上営業は必要」と話す。 ■タクシーぶつかる だが、昨今行き過ぎた路上営業も目立ってきている。新型コロナウイルス禍で営業自粛などが求められ、「密」を避けるために活発化したとの見方もある。警視庁上野署によると、令和6年12月には、テーブル席で飲食をしていた外国人観光客の男女2人にタクシーがぶつかり、けがをした事案も発生した。 上野署はパトロールを強化し、7年12月23日~翌1月25日の約1カ月間で、151店舗(延べ529件)に道路交通法違反(道路不正使用や禁止行為)で指導・警告を出した。 古い店が多く、漏電や配線出火も散見されているといい、署は「火事や地震の際に緊急車両が通れないと大変」と危機感を強める。 ■営業開始を前倒し
路上営業では、客数を増やすため、他店よりもはみ出して目立つよう競い合った結果、道が狭くなるという側面もある。昭和期から続く居酒屋店主の40代男性は、昨年末に署から注意を受け、3分の1ほど席を減らした。他店と比べると目立ちにくくなり、売り上げを維持するため、昼の営業開始時間を2時間早めた。「前のようにたくさん席を出さないとしても、もう少し増やしたい」と本音を漏らす。
アメ横商店街連合会では、歴史的に独自で軒下1・8メートルに黄線を引き、どの店もはみ出さないようにし、上野署も認識している。だが、コロナ禍を機に、経営不振などで店が入れ替わり、外国人経営者も増えたことで、その「暗黙のルール」が破られつつあるという。千葉速人副会長(71)は「最近は出すぎている印象がある。どうにか魅力的な街を維持したい」と話す。
■「ほこみち」申請へ
上野署は店に注意喚起をするため、消防などとともに、1月29日、モデルの倉本康子さんを一日署長に迎え、チラシ配布などを通じて、道路不正使用の禁止や緊急車両通行帯の確保を呼びかけた。坂井明徳署長は「道の幅が広くなれば、安心して通ることができ、対面販売も楽しめる」と強調した。
アメ横の一部では、国土交通省が2年に創設した「歩行者利便増進道路(ほこみち)」制度の申請にも動き出す。道路を通行以外の目的で柔軟に利用できる制度で、道路管理者によって指定されれば、歩道にいすなどを置くことが認められやすくなる。より安全に楽しめる空間になることが期待されている。(前島沙紀)
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